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このブログ、長らく放置してしまったのですが、
元気にしております。 遅ればせながら、見て下さっているみなさま本当にありがとうございます! 本年も、どうぞよろしくお願いいたします。 ![]() 昨年から、東京のドイツ大使館のサイト、YOUNG GERMANYのブログにて かわいい東ドイツの雑貨やお菓子、ベルリンの街情報などを月に1回ほど お届けしております。 全然ヤングじゃないのに大丈夫か、自分?とつっこみを入れつつも……楽しんでやらせて頂いています。 ご興味ある方、ぜひ!→YOUNG GERMANY また長らく悩まされている不動産問題ですが、 ユーロの不安定なども不動産買い傾向に拍車をかけ、ベルリンだけでなくドイツ全土で価格がうなぎ上り。もう一般人にはなかなか手が出ないお値段になりつつあります。 先日も、銀行で住宅ローンの話を聞いたら 「ベルリン市内の中心部で100m2以上のアパートを購入するとしたら、不動産屋を介したら手数料込みで50万ユーロ(現在の為替状況だと6000万円くらい)は見積もった方がいいですね」と……。 ドイツ全体では今年から不動産価格上昇は収まるだろうと言われているものの ベルリンは別。 不動産購入価格、5年間で55%アップが指摘されています(!!!) そして賃貸価格は5年間で31%の上昇。 ぎりぎり5年前に、流行でもない地区に滑り込んだ私たちはラッキーだと思いました。 ベルリンは確かにヨーロッパの首都としてはまだ安価な方なのでしょうが、 忘れてはいけないのは、この街は住むのも安いけど、稼げない街、であること。 特にカルチャー/アート関係の人たちはギリギリの生活で、私の周りでも一部失業保険をもらいつつ 食いつないでいるという人が増えてきています。 ドイツでもいわゆる「ブラック企業」や「派遣/契約社員」は問題になっていて 「Scheinselbstaendigkeit(名ばかりの「フリー」でほぼ社員並みの仕事をさせられているのに、実情は契約社員)」という人も多かったりします。 …… というわけで、ひとまずすっぱり持ち家への希望は絶ち、 現在住んでいる賃貸をなんとかするという流れで頑張っています。 不動産屋のひどい対応は相変わらずで、入口と裏口と自転車置き場のドアが半年あまり壊れているのですが修繕してもらえず。住民連名の家賃引き下げ要求を出す予定です。 ただし、明らかに不当と思われる管理費/共益費もろもろの超過料金の請求は、今年は無かったのです。 アパート住民全員と話し合って見ると、どうやら長々と文句を付けた人たちだけが、少額請求。 あきらめて支払った住民には引き続き法外な請求(800ユーロ前後〜)が来ているようで、、、改めて本当に許せない不当なやり口! アパートは、相変わらず表面だけはきれいに整えていて 古くからいる住民が追い出されるたびに、建物のどこかで修復工事が始まります。 家賃はこの地区としては上の中くらい(1m2/10ユーロ、共益費など別途) 入居すれば、周囲の環境の悪さ(中庭はピカピカだけど、夜になるとドラッグ売人がうろつく。 下の階に入っているのは賭博場が多く、強盗事件が後を絶たない、など)が問題に。 悪徳不動産屋に対抗するための住民たちの団結が強く、 そういう意味では楽しいアパート暮らしなのですが……楽しい面をできるだけ楽しく、悪い話はできるだけ改善できるよう、頑張ろうと思います! #
by berlinbaubau
| 2015-01-26 21:43
| 雑談
家賃の不当な値上げに対抗するための3つの鉄則、
その1「サインしない」 その2「隣人と話す」 その3「賃貸人団体のアドバイスを受ける」 ……しかし、 新居探しの場合にはこの3つの対抗策も、まったく役に立ちません。 ![]() ベルリンは統一ドイツの首都となり、一気にヨーロッパ大都市の仲間入りをしてから 住居の値段はうなぎ上り。 しかも住宅危機(WOHNUNGSNOT)が騒がれているという状況で、完全な売り手市場なのです。 これだけ街中でがんがん新しいアパートが建てられているのに なんでそんなに家が足りないの?という話に関してはまた、改めて書きたいと思いますが とにかく、予算がたっぷりあり、場所も特にリクエストはない、という人ならばともかく そうでない場合は、 半年1年は探すつもりでないとなかなか難しい……というのが現状のよう。 学生でも、いまやルームシェアが普通、小さな1部屋に光熱費とインターネット込みで月350ユーロなら最高! 400~500ユーロもよくあるというから、本当に大変だなあ……と思います。 市内中心部の学生寮も空き室待ちで、学生向けの家具付きルームシェア専用の紹介サイトが出て来ていたり。 この、インターネットでの家探し。 私も以前はImmobilienscout 24 をよく使っていましたが、最近は全然掘り出し物も出ないし ネット上にアップされる頃にはもう、誰かに押さえられてるというパターンがあまりに多いので あまりチェックしていませんでした。 ただ、 家を買うことを漠然と考えはじめてから、希望の立地、価格、広さなどを登録し メールを送ってもらうようにしていたのです。 ここで、、まさかの詐欺にであってしまいました。 あくまでも「出会った」だけで被害に「遭って」はいないんですが。 家賃が高騰し始めてから、住宅詐欺の話は時々耳にしていたんです。 素敵なアパートに住む友人が、 夜、ガチャガチャとドアを開けようとする不審な音がしたので外に出てみたら 「この家を借りたんですが、鍵が合わない」という人が玄関の前に。 「えっ、貸してませんけど……」と友人。 「ええっ、もうお金払ったんですが?」と…… 海外からサイトを通じて家を借りる約束をし、 その「担当者」に、アパートの入口の前で家賃を現金で渡し、鍵をもらったというのですが その鍵は全く関係のない鍵だった、というもの。 トランクひとつで途方に暮れているその人のために、警察を呼んであげていちおうホテルも教えてあげたそうですが、 人によっては、 鍵屋を呼んでしまったり、 そこに住んでいる住民もグルじゃないか?と騒ぎを起こす人もいるとか…… そりゃ大変、でも鍵を外で渡すって変だよね、 気づかないのもねー、と他人事のように思っていたのですが……。 ある日、 住宅サイトから届いたメールを見たら、私の希望価格に対してかなり広めのすてきなお家の写真が。 場所は、シャルロッテンブルク地区のクーダムの横道。 グーグルマップで検索してみても、住所と内装がぴったりと一致する、豪華なアルトバウ。 売り手は不動産屋ではなく、一個人。 「これはもう買い手居るだろう」と思ってリンクをクリックしたら、まだ空いている。 「見学だけでもしてみようかな?」と 連絡を取ってみたところ、 ちょっと不思議な返事が来ました。 「私は◎◎会社の設計技師で、昨年までベルリンのプロジェクトを手伝っていた。 しかしいまはポーランドで仕事をしているので、ベルリンの家を手放さなければいけなくなった。 私はベルリンにいないので、全世界の不動産を管理するHomes-GlobalPropertyに管理を頼んでいる。 その不動産屋に見学を依頼してほしい。 英語でメールをして」 ……… なんでベルリンの不動産屋に頼まないんだ? なんか変だな、 と思ったのですが、 その不動産屋のサイトもリンクされており、それを見てみると 各都市の豪華なお家が写真入りで紹介されている。 ふーん、大手なのか……とりあえず英語でメールしてみるか。 すると…… 先方からすぐ返信が 「あなたの氏名、住所、連絡先(電話番号)を教えて欲しい。 また単なる見学でなく、本当に、買いたいと思っているという誠意を見せてほしい。 デポジットとして4000ユーロを振り込んでくれれば、見学のアポイントメントをとります。 見学した後、やはり購入されないのであればお金はお返します」と。 見学前にお金を振込め、だ? こりゃー、詐欺でしょ! と Homes-GlobalProperty 詐欺(Betrug)と入れて検索してみたら、出て来る出て来る。 ちらりとでも、何か変だな? と思うことがあったら、名前◎◎、Betrugと検索してみるのがお薦めです……。 このブログにも、住宅詐欺の例が数多く紹介されています。 wohnugsbetrug.blogspot.de しかし 同様の手口での詐欺はImmobilienscout 24やimmonetなどの同様のサイトにもまだ沢山あり 最近では、人気の旅行者向けルームシェアサイトAirbnbでも多くの報告があるようです。 建築家の友だちから聞いた話ではこの 「技師/以前は◎◎の都市に居たが、現在は違うところにいる」というパターンは よくある住宅詐欺の手口なんだとか。 家がなかなか見つからないと、 うっかり 「優先的に入居させてあげるからお金を……」とか 「本気なら事前にお金を……」とか、甘い言葉にだまされそうになってしまいますが、、、 お家を直に見学する前のVorkasse(前払い)は詐欺を疑った方が良さそうです。 これに懲りまして、家探しはやっぱり不動産屋さんに頼むのが安心かも……と思いつつあります。 あとはやはり、口コミ。 良い物件は口コミで知人間を行き来することが多く、ネット情報には絶対出ないんですよね。 色んな人にあうたび、「家探してます!」とアピールしていると 少しずつ、良い物件の情報を頂けるように。 とはいえ賃貸物件ではまたオーナーが変わって…… なんてこともあるかもしれないので、素敵な立地の掘り出しもの物件には不安がつきまといます。 (立地が良いとその分家賃水準も高いため、値上げされても文句が言えない) 家を買う場合は、ベルリン中心部のアルトバウで、2階以上(地階は安い)、となれば、現在1m2あたりで大体2000ユーロ前後が平均。それ以下の場合は、場所が悪いとか改装か修復する必要があるとか、、、 まあ、詐欺だとか・涙 何らかの問題がある場合が多いようです。 ああ、ベルリンの家探しは、 いばらの道です……。。。 #
by berlinbaubau
| 2014-04-29 23:07
| ドイツのこと
……
3週間ぶりに家に帰って来たら ドーン! ![]() 「空き巣に注意!」 ……警察のお知らせがお出迎え。 あ〜帰って来たなあと実感。トホホ この棟の一角に軽犯罪空き巣常習者が住んでいるのです。 そんな“隣人”も居るわけなので、 全ての隣人と仲良くできるわけではありません。 中庭や共有の入口のドアは、ひと月の間に鍵が壊されないことはないという有様。 思いつきの軽犯罪なので、全てが力技。 バールで鍵穴を広げようとする、 ドアノブをスパナでほじくる、など荒技にもほどがあります。 ……プロの仕業ではないので、鍵を2つ付ける、などの対抗策が有効ですが アルトバウによくある内開きの2枚扉(Fluegeltuer)は鍵をかけていても、力任せにぐいぐい押すと開いてしまうので注意が必要です。またドアを閉めるだけではクレジットカードなどで簡単に開けられてしまうそうです。 1階には、オリバー・カーンが広告をしているサッカー賭博場が入っているんですが、 これも不動産屋の値上げのしわ寄せ。 法外な値段の家賃でも、マネーロンダリングの温床と呼ばれる賭博場なら問題なしというわけで、オーナーが変わってから うちの不動産屋が管理している物件の1階には全て賭博場が。 不動産屋曰く「まるでシャルロッテンブルクみたいでしょ〜」という美しいお庭には 夜になるとドラッグ売りがうろうろするようになり、 真っ昼間に隣人が入口付近で強盗に襲われるに至って警察を呼ぶことに。 警察曰く『賭博所が増えて、一気に犯罪率が上がった』そう。 近くにパトカーが常駐しているので、110番すると1分以内に飛んで来てくれるのは良いんですが…… いやな気分はなかなかぬぐえません。 ただし家賃に反映してみると、 賭博所がある、ことはマイナスポイントとなり、 不動産屋は家賃をMietspiegel(各地区の家賃の水準)の最高値で要求することはできなかったりします。 (また大きな道路に面している、などもマイナスポイントに) なので、私たちはコレを盾にMietspiegel最高値を要求する不動産屋に対抗しています ちなみに自分の家賃が本当に水準の範囲内に収まっているのか……? Mietspiegelはオンラインでチェックできます! >Berliner Mietspiegel 2013 のでご興味ある方は、やってみて下さいね〜。 しかし、良いこともいっぱいありました! 私が住んでいるアパートは、4つの建物が1つのブロックを形成しており 共同で、中庭やゴミ捨て場を使っています。 この4棟全てが同じ不動産屋の管理下にあるわけです。 私たちのアパートは中でもわりとキレイだったので、中でも最初に家賃値上げに合ったのですが 今年度、他の棟にも一気に値上げ(共益費の水増し)があったそうで 住民たちの間で「皆で団結しよう!」という動きが起こって来たのです。 家賃の値上げなどに対抗するために、 この「隣人と話す」のはとても大事。 同じアパートの中でも、状況も家賃も様々、 例えば90年代から住んでいる古株は、ドイツマルク時代からの超安値で住んでいたり 失業保険で家賃をカバーしてもらっているシングルマザーの方がいたり。(彼女は結局追われるように出て行ってしまいましたが……。度重なる値上げにより失業保険でカバーしてもらえる家賃の上限を超してしまったそう) 家賃収入が見込めない、古くからの安値で住む賃貸人には共益費の水増し請求額が異常に多く、 『安く住んでるんだから、多少共益費&光熱費が高くても我慢してもらわないと』 と言わんばかり。 (実際、電話などではそういうことを言って圧力をかけてきたらしい。 ちなみに不動産屋と電話で話してはいけません。 書面でやり取り、が原則だそうです) しかし、所有者が入れ替わったここ1、2年の新入居者はどの人たちも ヴェディング地区とは思えない高値で入居しているので 最初の1年目は値上げや共益費の水増し請求が無かったり、 共益費とは別のことでお金を要求していたり。 隣人と共益費の請求書を見比べてみたら不動産屋のボロがどんどん出てきました。 そこで、共益費関連の詳細を調査してもらうプロの請負人(Sachverständiger)を割り勘で依頼。 長らく住んでいる古株住民と情報交換をしたり、 踊り場を掃除している人から情報をもらったり。 さらにはこのアパートを管理している悪徳不動産屋で働く友人が居ると言う住民がいたりして、こっそり敵の情報をもらえたり……。 それぞれ状況も意見も違い、なかなか一致団結!とはいきませんが 皆で声をかけあう雰囲気が出てきました。 顔見知りになれば、不審者がいればすぐ分かるし 不在時の郵便受けの管理や植木の水やりをお願いしたりも。 しかも話してみると、新入居組はアート関係が多く、 すっかり仲良くなって皆で中庭でバーベキューをしたり。ご飯のやり取りも。なんだか楽しくなってきました♡ しかし先日一緒に皆で中庭でお茶を飲みつつ 『いい家があれば買って出て行きたいから、情報あったら教えて〜』 と言ったところ 『えー!皆で頑張ってこのアパート買いましょうよ。』と誘われ…… 『情報はあっても教えないわ!せっかく仲良くなったんじゃない〜一緒に戦いましょうよ』と…… うーん………。。 できれば心静かに暮らしたいんです……。 嬉しいやら、困るやら。 #
by berlinbaubau
| 2014-04-28 06:39
| ドイツのこと
いつのまにか桜も散り、夏時間に変わって
もりもりと緑の葉っぱが窓を覆う季節となりました! 「家賃天国、の終わり。」を書いたのは1月のことでしたが、 家賃天国どころか、バブルな家賃右肩急上昇の一途をたどっています、ベルリン。 私たちの不動産屋(大家)との戦いも平行線をたどっていますが…… 具体的にどうやって対抗しているか、と言うお話を少々。 …… 近年「人気スポット」になって、新入居なら家賃2倍3倍は普通という暴挙が横行しているノイケルン地区で、 こんな貼り紙を発見したのですが、 まさに、対抗策はこの通り! ![]() その1「サインしない」 その2「隣人と話す」 その3「賃貸人団体のアドバイスを受ける」 不動産屋の不当な値上げや立ち退き要求に対抗する術として一番に有効なのは、 Mieterverein (賃貸人団体)で、住宅関係専門弁護士というプロのアドバイスを聞くことだと思っています。 ドイツ人でも分からない、住宅関係の法律と専門用語の嵐。 アパートの立地や地区によっても状況は異なりますし、 たとえ同じアパートに入っていても、 いつ入居したかで法律が変わっていたり、契約の内容が異なる場合もあり 「誰かがこう言っていたし……」という又聞きでの判断はとても危険、かつ勿体ない! ちょっとしたミスで 「家賃滞納」と言われて、家を追い出されることにもなりかねません。 が、逆にプロが見ると 「あ、この手紙書き方間違ってるわ。無効だから全部無視していいわよ」と えー!! というようなどんでんがえしがあったりもして。 本当にケース・バイ・ケースなんですよ。 が。 そこに1つの大きな壁が。 言葉の壁、です。 以前から私が入会している賃貸人団体は「Berliner Mietergemeinschaft e.V.」と言います。 多少他の団体より安く、今までは満足していたのですが、 基本的に、アドバイス以上のことをやってくれないんです。 アドバイスがもらいたいだけの時は全く問題ないんですが、具体的な戦いになってくると 例えば「◎◎◎についてxxxの点を指摘し、△△法の1条に基づいて、この値上げ分は払えません、と手紙を書きなさい」と 教えてくれた場合。 「パラグラフ……何条?え? すみませんもう一度!」 必死で弁護士の人が言う言葉をメモして、私が手紙を書いて送る訳です。 しかし法律関係の文章なんてそうそう書けませんし、 書いたつもりでも、ちょっとした言い回しとかで 揚げ足を取られることもあるのが恐ろしい! また、出張の多い仕事をしているため、 出張中に締め切りを明記した手紙が来ていたりして締め切りを逃せば、それだけでアウト。 そう思うとおちおち家を空けることもできません。 あまりに戦いが長期化したので、 相方も毎週のようにアドバイスを聞きに行っては手紙を書くのにうんざり、 郵便受けを覗いては、ため息をつく憂鬱な日々。 結局こういうことに時間を割かれるのが嫌で、 ほとほと疲れて、 賃貸人側は、不動産屋や大家の言いなりになってしまいますよね……。 うちの下に住む高齢の夫妻は、 昨年「小さい文字を読むのが面倒だし、疲れるわ……」と、不当に水増しされた共益費を払ってしまったそう。 しかし、今年もまたその水増しの請求に悩まされています……。 エンドレスの戦いは本当に疲れます…… そんな話を隣人に愚痴っていたところ 「Berliner Mietervereinだったら、手紙のやりとりの代理もやってくれるわよ」と。 おおお〜!! ただし団体に入会する場合 「問題が起こってから入会した人は、裁判となった場合に裁判費保険(Prozesskostenversicherung)ですぐカバーしてもらえるわけではない」という点には、注意しなければなりません。 「転ばぬ先の杖」で入会していた人だけが裁判費を免除してもらえるという仕組みです。 なので、私が以前から入会していた賃貸人団体の方の所属は取り消さず、 新たに相方がBerliner Mietervereinに入会。 手紙のやり取りもお願いすることに。 ……で! 楽! ものすごく気が楽!!! もちろん、勝手にやり取りをするのではなく、 常時こちらに内容の確認の連絡がありますが本当に楽!!! Berliner Mietervereinの回し者みたいですが、これは本当に助かるサービス。 5ユーロくらい他に比べて年会費は高いのですが、 これから入会しようかな〜と考えている方、Berliner Mietervereinお薦めです。 大手なので、アドバイスをしてくれる弁護士さんが居る日や場所も多く 電話アドバイスもOK。 なんと、アーティスト用のスペシャルアドバイスもあります! >Mietrechtsberatung für bildende Künstlerの項 最近、工場跡地などの広い廃墟がばんばんと売れ、 また、以前はベルリンのアーティストを応援していた某Bコンツェルンが援助を止め 知人のアーティストたちも、アトリエを追い出されたりと困っているよう。 こういう問題専門なのでしょうか。 ベルリンアーティスト職業団体bbkと共同でやっているそうなので アドバイスも具体的にもらえそうです。 ……対抗策、その2に続きます。 #
by berlinbaubau
| 2014-04-26 21:01
| ドイツのこと
昨晩、坂本あゆみ監督の「FORMA」
ワールドプレミア!見て来ました。 速報です☆ 「FORMA」、Fipresci Prize(国際映画批評家連盟賞)を受賞! おめでとうございます!!!! ベルリン映画祭でこの賞がデビュー作に与えられるのは初めてという快挙だそう〜。次回は香港国際映画祭の若手映画コンペで上映があるということです。(3月24〜4月7日) 実のところ 最初、ベルリン映画祭のパンフレットであらすじを読んだ時はそれほどひかれなかったのですが、 ブログに書こうと検索して予告編を見た時、 最初のシーンから漂う、ぞわぞわと不穏な空気にひっかかり…… 見終わって、ああ、こういう出合いがあるからベルリン映画祭最高!と思えた作品でした。 あらすじー 高校と中学で一緒にテニス部に所属し、友だちだった綾子と由香里。 9年後、由香里は工事現場の警備員としてアルバイトをし、綾子は会社で主任となっていた。 2人は偶然出会って交友が再開し、綾子は由香里に働き口を与えるが、会社で、綾子は由香里をいじめ始める。しかし、それが外にははっきりわからないように気をつけていた。 由香里いわく「なんか悪い予感がするっていうかー」 本当に、2人は友だちだったのだろうかー……? 「FORMA フォルマ」とは、ラテン語で「本質」という意味があるそうです。 坂本あゆみ監督は映画上映後のQ&A この映画で人間の「本質」を探りたいと思ったこと、 また、大きな意味で「本質」→「魂」と捉え、亡くなってしまってもまだこの空気の中に漂っているものがあるのではないかーという意味もこめたと語っていました。 由香里はロングヘアに華奢な体、当時はテニス部の部長で、いまは結婚を前提にした彼氏がいて、 結婚したら専業主婦になろうかなーというような子。 綾子は、外見的にはあまりパッとしない感じ。 主任というポジションなんだから、多分仕事できる方なんだろうけれど、一生懸命好きな仕事に打ち込んでいるという感じはなく、友だちも彼氏も居なそうで、家に帰ってお父さんに食事を作って、家事をしてまた仕事に行って……という毎日。 見始めた時は、30歳間近の女子2人、 ああ生き辛そうと、綾子にかなり自分を重ねて見てたんですよね(笑) 仕事はたいしてできなくても結婚前提の彼氏がいて、自分より幸せそうな人生をおくっている(ように見える)昔の同級生へのねたみがあるのかな、とか。 でも、ん?と思うシーンが少しずついくつも重なってきて じわじわと不穏な空気が膨らんでいって、 パチン、 とはじけた。 時間の前後関係が錯綜し、 シャープペンシルで、段ボール箱に穴を開け、それをかぶって歩く、綾子。 最初の一秒から、ちりばめられていた伏線がつぎつぎとほどけていくー…… 緻密に、丹念に編まれた、ものすごい作品でした。 3人の登場人物が、自分の顔を見るシーンがあるんですが、これがとても印象的。 彼らがどの時点で、「自分」を見たのか、は最後の方にわかってくるのですが この時以外は、ほとんど彼らの表情に寄ったりして「盛り上げる」というところはありません。 3人の主要な登場人物、だれかの心情に寄り添ったりもしませんし、1つの出来事が色々な方向から距離を置いて捕らえられていきます。 ラストシーンの会話は、通り過ぎる電車の音にかきけされ何を言っているかも、聞こえません。 見る者に、「わかった」と簡単には思わせない、 人の心の中に何がうずまいていたのか何を思っていたのか 「本当のこと」は、誰にもわからないー ……映画に、エンターテイメントを求めたい人には多分、この映画は向かないかもしれません。 でも、なんだろう、この映画を観た後、不思議なカタルシス、開放感のようなものがあったんですよね……。 内容や媒体も全く違うのですが、 坂本監督が「なぜこの映画のアイデアを思いついたか」という話しをしている時に、ふと思い出したのは、 先日読んだ南ドイツ新聞の別冊「sz-magazin」のNSU(極右グループ「国家社会主義地下組織」)の裁判議事録でした。 いままでの新聞記事とは違い、彼らのやり口を批判するでもなく、お涙ちょうだいもなく、 たんたんと証言がト書きでまとめられ時々イラストで資料写真を起こしたものが出て来るだけなんですが、 行間からじわり、と関わった人たちの悪意、悔しさ、悲しさ、言葉にできなかった思いが、見えてくるように思ったのです。でも、本当のところ、なぜ彼らがこんなことをしたのかは、誰にもわからない。 何かの事件が起こったとき、新聞記事を読んで、ワイドショーを見て、 「ひどい事件だ……」と憤慨したりするけれど、モノを書く人間として「でも、ホントのところ、“真実”なんてわかんないよね」と思っている自分もいるわけです。 その“真実”を見て、次の人に伝えるために切り取っている人間の視点によって、その“真実”はあっという間に姿を変え、ニュースだってどこかに偏りがないわけはない。そういう意味でも、この映画は稀なる映画だと思いました。 ![]() さて、ワールドプレミア上映、に話を戻しますと、 500席以上ある、会場Cinestar8は満席でした! 拍手はすごかったですけど、すぐさまブラボー!と大歓声をあげたいというのではなく、次の日まで気持ちをひきずってしまいそうな映画だったからか、拍手の音(質?)が、ちょっと変わってた気がします。 私の隣に座っていたオーストリアから来たと言う老夫妻も「すごかった、140分以上息を詰めて見ちゃって心臓がドキドキしてる」と言っていましたが、私も色々なものが胸に重く、最初は手を動かすこともできませんでした。 監督さんを交えての質疑応答で興味深かったのは日本人以外の観客の反応でした。 「あれがリアルな日本なのか?」 と形を変えて色々な人が質問していたのですね。 一緒に行った、日本滞在歴もあるドイツ人の友人たちですら、 「あのグレーな感じのオフィスは、きっと多分リアルなんだろうけど、ちょっとオーバーじゃない?」 「出て来る男性が、ちょっと“日本人男性”のカリカチュアみたいじゃない?」 えっ、そう? ……ですかね? しかし確かに、あの145分間に漂う閉塞感が「リアル」ーといわれると えっ、と思ってしまうのかも……? 実際、「いまの日本の社会への批判ではないか?」という質問もありました。 そういうことを伝えようと思って撮った訳ではありません、と監督はおっしゃっていましたが。 「会話」はどれも、本当に秀逸。リアル。 脚本にはセリフなどはあまり細かく書かれておらず、 特にラスト直前の長回しのシーンは、3人の役者さんは事前打ち合わせもなく、 これだけは言って欲しいというキーワードだけ渡されて、撮影が始まったのだそう。 あの、日本語でしか作り得ない、 たぶんドイツ語に訳せと言われたらどうやって訳したらいいのかわからない、でも続いてしまう会話(!)。 長田と綾子の会話、この日本語の妙!(笑) 「あの会話は、日本人でしかありえない……」と隣で相方がぽつり。 (でもちゃんと齟齬無く英語に翻訳されていたんだから、字幕翻訳者さん、すごい!) そして、その辺りがドイツ人(ヨーロッパの人?)としては(?)やはり疑問に思うらしく 「日本人は会話(ダイアローグ)をしないのか?」って質問もありました。 この質問、今回の映画祭の質疑応答で耳にするのは2度目です。 キンダー部門で上映された、杉田真一監督「人の望みの喜びよ」の質疑応答で 子どもが「日本の子どもは皆あんなに無口なんですか〜?」って……。 杉田監督もまさかの質問、思わず苦笑していましたが……。 ちなみに、「日本人は会話をしないのか?」という映画「FORMA」に対しての質問には続きがあるのですが、これは映画祭が終わってから書きたいと思います…… 「FORMA」に興味を持った方、まだ上映チケットあるみたいです! → Berlinale - Forma 本日2月14日 16時〜 Delphi Filmpalast 2月15日 20時〜 Cubix 9 2月16日 20時〜 Arsenal 1 オンラインでチケットなくても、上映館で当日券買えますよ〜! 予告編にぞわっと来た方、ぜひ! 坂本あゆみ監督、次回作も期待しています!またベルリン映画祭で上映されますように! #
by berlinbaubau
| 2014-02-14 08:27
| 映画、だいたいドイツ
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