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今日はいよいよ、ベルリンの市議会選挙が行われます。
私は選挙権がないので、見ているだけではありますが 今回は、旧東ドイツ地区を中心に、票をグイグイと伸ばしている右派ポピュリスト党AfD(ドイツのためのもうひとつの選択)がどこまで食い込んでくるかに注目が集まっています。 彼らが支持を集めている理由はやはり難民受け入れ政策への反対姿勢ですが、 「反メルケル」、「反EU」、既存の政党に反対する姿勢が受けたのだと思います。 正に「オルタナティブ」。 しかし党首Petryや、党員von Storchは「不法にドイツ国境を越えようとする難民は(非常時なら)相手が丸腰でも女性でも(子どもでも)撃っていい」と発言したり、やはり怖いものが見え隠れします。 ドイツにはポスターを貼る選挙掲示板がないので、街頭とかにがんがんポスターがくっつけられていきます。 党によって、それぞれポスターデザインのカラーが異なり、地区によってもデザインを変えていたり。面白かったので、ちょこちょこ写真を撮って比較してみました。 デザインだけを見ても、けっこう政党のカラーが表れていると思います。 SPD ベルリン市長、ミヒャエル・ミュラーが属するSPD(ドイツ社会民主党)は シリアス路線。かっちりライトアップしてグレーバックに影を映して撮ったポートレートに、ゴシック体で控えめに名前を入れて。 ![]() ![]() Grüne 今回躍進が期待される、Grüne 緑の党は、自然光で撮ったようなスナップショット的なカットが多かったです。そして自然を感じさせるグリーンいっぱいの背景。 面白かったのが、クロイツベルクとかでは、おなじみのひまわりがついた「緑の党」のロゴが目立たない、独自デザインだったこと。なんで変えたんでしょうかね? 人によっては、70年代風のイラストポスターだったりして、いかにも緑の党〜!でした。 ![]() ![]() CDU メルケル首相のCDUは鉄板、いかにも選挙ポスターという感じ。右上にCDUのロゴ、名前はオレンジ色で大きめそれにステッカー風に「Starkes Berlin」(強いベルリン)。何が強いのか具体策よくわかりませんが、ほかには街の風景をバックに入れたものなども。あまり統一感はないです。 ![]() ![]() Linke 今回、CDUに対抗する意味で票を伸ばすのではないかとも言われている左派政党Linke。モノクロ写真に大きな赤文字でスローガンを入れる、独自路線を行ってます。 ![]() FDP 今回なんだか目立ちまくっていたのが、FDPのこの人のポスターです。他とは全く違う、飛ばしたデザインです。しかも、この方、顔まで3Dイラスト化してて、何がどうしてこうなってしまったのか、彼は何を求めていたのか知りたいです。。。。 ![]() Piraten 前々回だったか?メルケルに対抗してぐぐっと票を伸ばしたPiraten海賊党。大麻の自由化とかいつも独自の路線を行く、ヤングでフリーダムな雰囲気が売りの政党(?) 何のポスターなんだか?という感じの、一見雑っぽいデザインで目立っていました。ここもフリードリヒスハインとかの地区では、全く別のデザインのポスターでした。 ![]() ![]() AfD 選挙ポスターのデザイナーがドイツ国内では見つからなかったらしいAfD(ドイツのためのもうひとつの選択)。「ベルリンには、●●が必要だ!」という主張が大きくかかれたポスター。 例えば>きっちりとしたルールが必要だ、将来が必要だ、など。 ![]() ほとんどの地区で、破かれたりしないようにでしょうか、一番高いところに取り付けられていたのが印象的でした。 ![]() ![]() 面白かったのは、これらのAfDのポスターの上にまるで「虹色のゲロ」を吐きかけるかのようなデザインのポスターが取り付けられていたこと。かなりの高さにわざわざ取り付けているんです。 ![]() ポスターにはAfDを揶揄するように「オルタナティブ?(もう一つの選択?)ベルリンを助けよ!」の言葉が。 Jusos、SPDの若手チームのポスターです。 、、、、、市内中心部を離れ、ホーエンシェーンハウゼン地区に行く機会があったのですが、駅を降りるなり、中心部の通りが全て極右政党NPDのポスター。 ![]() これもまたベルリンなのです。 最後に、選挙ポスターを風刺したポスターもご紹介。 「ここにポスターを貼れます(ぶら下げられます)」という文章をもじって「ここにナチスをぶら下げられます」と。。。 Die Partei は風刺政党です。 ![]() さあ、どんな開票結果になるか…… 意外な結果なのか、ほっとするのか、怖くなるのか。ベルリンの街がこれからどうなっていくのかにも大きく関わっていくであろう、見守っていきたいと思います。 ▲
by berlinbaubau
| 2016-09-18 08:48
| ドイツのこと
ポーランドからドイツに入る国境にて。
ほどよく埋まった食堂車に、ポーランドの国境警備隊2名とドイツの国境警備隊1名の3人グループが乗ってきた。 角に座っていた黒人のお客に「パスポートにビザがあるか見せてください」と言う。 「ここにこんなに人がいる中でなぜ私だけパスポートをチェックされるのか?黒人だからか?人種差別をするつもりか?」と抗議する彼。 「パスポート、プリーズ」を繰り返すポーランドの国境警備隊。 「ビザは持っているがパスポートは座席に置いてきた。取ってこないといけない。 でもなんで私だけなんだ。抗議する。」 周囲のドイツ人は、すぐドイツ語で警備隊に文句を言い始めた。 「その人の言う通りだ。なぜ彼だけパスポートの開示を求められるんだ。 あなたたちはレイシスト(人種差別主義者)じゃないか」 「私はユダヤ人よ。ドイツの中では少数派だわ。私にもパスポートのチェックをもとめなさいよ」 ドイツ語なのでポーランドの国境警備隊はわからない。 ドイツの国境警備隊が言い訳を始めた。 「あなたたちは私たちをファシストと言うが、これは国境を守るための仕事の一環で、 でもドイツ側はオブザーバー的立場で側にいるだけです。 ポーランドの同僚が、一車両につき適当に1人を選び出してパスポート開示を求めているわけで、ここでは彼を選びましたが、後部車両でも同じことをやってきたんです」 なんとも歯切れの悪い言い訳だ。 そもそも問題としているテーマもすり替え、「レイシスト」と「ファシスト」も言い換えている。 同僚にパスポートを持ってきてもらった彼は、 「私はエイズ撲滅活動を行っている団体の親善大使だ。 ビザを見ただろう。あなたの名前と番号を控えさせてもらう。今回のことについては苦情状を出すつもりだ」。 反省の色もなく、ドスドスと足音を立てながら次の車両に進んでいくポーランドの国境警備隊。 ドイツの国境警備隊は、いちおう最後までぼそぼそと言い訳しながらついていく。 こういう時、ドイツの人はけっこうな確率で議論に入ってくる。おせっかいとは違う。 "Deutsche Diskussionskultur" ドイツの討論文化、なのだろうか。 車の接触事故があった時とか、道路の反対側にいる人まで信号を渡ってやってきたり意見を言いだす。ドイツの人は口々に自分の意見を言って、正当性を主張する。 私も、何度かそういう場面に遭遇した。 デパートの順番待ちでなぜか私だけ無視された時とか、 タクシーの運転手に言いがかりをつけられた時、その時道にいた人たちがどんどん集まってきてくれたのでびっくりした。 たいてい私以上に怒ってくれるのだが、時々は全然状況がわかってなくて的外れの抗議だったりもする。いつのまにやら問題の私はまったく蚊帳の外になってるのにまだ言い争いを続けていて、「えー、私はそろそろ帰っていいでしょうか……」という状況になってたりもする。 それでも、言わずには気持ちがすまないのだろう。 彼が言っていることは正しい、、、この中で私だけがパスポートをチェックされたら なんで?って私も言いたくなるだろうと強く思いつつも 声をあげない私とは大違いだ。 食堂車全体に、「平等にみんなのパスポートをチェックしろ」という声があがっていくのにを横目に、冷や汗をかきながら下を向いていた。 実はちょうど新しいパスポートに書き換えたばかりで、パスにビザが貼られていなかったのだ。うっかり古いものを持っていくのも忘れていた。 もちろん、連邦警察に問い合わせて貰えば私の身元やビザがあることは確認してもらえる。 でもその前に、面倒に巻き込まれるのが嫌だ。。。 ドイツ語ができるようになっても、ドイツに何年暮らそうとも この点だけは、ドイツ的、ドイツ人のようにはなりそうにない。 ▲
by berlinbaubau
| 2016-09-14 16:41
| ドイツのこと
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