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今日は、がっしり強いタフガールたちが出てくるドイツ映画を3本。
いろんな意味で、パワーをもらってきました! ●「Tiger Girl タイガー・ガール」 2013年、ポツダムの映画学校在学中に撮影した、デビュー作「LOVE STEAKS」で、新ドイツ映画奨励賞全部門ほか、若手ドイツ映画賞を取りまくったヤコブ・ラース Jakob Lass監督の新作。 「LOVE STEAKS」は、ほぼ即興という撮影手法やカット、効果の入れ方、このタイミングでこの音楽をこの音量で入れるか?という独特な音楽のつなぎ方……好き嫌いはかなり分かれると思うのですが、面白い映画だなーと思ってみてたので、新作、楽しみにしておりました! ![]() >ざっくりと、あらすじ。 警察官の採用試験に落ち、次の採用試験を目指してセキュリティ(ガードマン)の学校に通っているマルガレーテ。 夜、チンピラに絡まれているところを偶然一人の女の子に助けられます。 「私はタイガー。あんたはヴァニラって感じ」 タフガイ、という言葉がありますが、タイガーを一言で表すなら、まさにタフガール。殴る蹴る、盗むー社会規範ではなく、自分のルールを過激に貫き通すタイガーの強さに、引っ込み思案で、タイガーいわく「überhöflich, viel zu lieb(丁寧すぎ。優しすぎ)」なヴァニラは惹かれていきます。 自分が働くセキュリティ会社の制服を盗んでタイガーにプレゼントし、街を闊歩するヴァニラは、徐々に道をふみはずしていき……。 ![]() ツーリストを騙し、道ゆく人からスマホを盗む。しかしタイガーには彼女なりの正義があってのこと。ある意味自由で純粋。でもヴァニラにとっての暴力は、権力、力の象徴。力がほしいーユニフォーム、警察官に執着する彼女の姿にそれが見え隠れします。 ヤコブ・ラース監督は今回の作品も骨組みしか脚本を作らず、セリフや動きは現場で作り、その後は役者にまかせ、その場で声も録っていくというライブな手法をとっているそうですが、爆音でかかるドイツ語ラップや時々挟まれる作り込まれたシーンが、適度に観客との距離を作るのか、暴力描写が続くにもかかわらずするっと楽しく、テンポよくみてしまいました。 2人が車の窓ガラスをぶち破っていくシーン(スローモーション)の映像、ピピロッティ・リストのビデオ『Ever is Over All』を思わせます。インスピレーションとしてあったのか監督に聞いてみたいところ。 そして、タフガール、タイガー役をやったスイス人女優のElla Rumpfがいい〜!そして、Victoriaでは切れやすい暴力的な筋肉男に見えたFranz Rogowskiが「LOVE STEAKS」に引き続き、ヴァニラに振り回される気弱で流されがちな男子を演じています。 ●Gabi 30分の短編映画ですが、Gabiを演じたGisa Flakeが最高!ベルリンにいるいる、こういう人(舞台はポツダムですが)!後半には彼女の顔が可憐に見えてきてしまうのがすごいんです(失礼) 監督のMichael Fetter Nathanskyは弱冠23歳。この映画はポツダム映画大学のバチュラーコースの卒業制作だそうです。 バーデン・ビュルテンベルク映画学校で学ぶMia Spengler監督の卒業制作であり、長編デビュー作でもある本作。 映画は、数年前リアリティ番組で有名になったアンジーが、ドラッグ中毒更生施設をでて、仕事も、お金も、「友だち」もなく、しかたなく実家に帰るところから始まります。 Juliane Köhlerユリアーネ・ケーラー演じる母モニカは、ラインダンス教室の先生。教室ではタッパーウェアも売っています。 そして、14歳の妹、キキ。てんかんもちで保護帽をかぶっているためにどうやら学校でいじめられているらしい。(「Facebookで友達が7人しかいないの。しかも全部ママの友だち」(涙)) ![]() 必死で新しいリアリティショーの出演者の座を獲得しようとする、アンジー。 いつもフルメイク、ピンヒール、ミニスカートでドサ回りをしながら、パーティにでかけ、ゴシップを作ってなんとか話題を呼ぼうと頑張るなか、母が倒れ、キキの面倒をみることに。メイクを手伝ったり一緒にYouTube用のビデオを撮ったり。いい姉妹関係が築かれているようだったのですが……。 南ドイツの小さな田舎町。ラインダンス教室、ちっちゃいプロデューサーと話し合うソーセージスタンド、友だちの脱毛サロン、日曜大工店でのライブ。近所のおばさんたちの嫌み。細やかな描写が重なり、B級セレブのうらぶれ感、アンジーのやるせない思いを伝えます。 ![]() なんといってもKim Riedle 演じるアンジーがすばらしい!細いヒールで、ひとりで、闊歩していく。キキのためにいじめっ子をやりこめるところのかっこよさときたら。 プレス上映だったのですが、最後熱い拍手が続いたほどでした ちなみに、会場で爆笑が起こったのが、キキが、クラスのイケてる女子を羨ましがるシーン。 「だって、彼女のYouTubeの再生数すごいし、、それに彼女ビーガンなのよ!」(だから何だ?!とツッコミたくなりますが、いかにもドイツのいまどきの学校、ですねえ。) しかし、今日はベルリン訛りとスラングを聴きまくった1日でした。。。
by berlinbaubau
| 2017-02-11 07:11
| 映画、だいたいドイツ
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