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様々なニュースで、
ドイツの原発7基が一時停止をしていることが報道されました。 私も、「すごい!さすがドイツ人行動が早い」と思ったのですが 周囲のドイツ人の友人たちや、ここ数日で出会ったドイツ人たちはメルケル首相の即断を冷たい眼で見ている。 それはなんでなんでしょうか。 ロイターなどで、その時その時で報道はされてるんですが、 自分なりに、ざっくり流れをまとめてみました。 実は、 ゲアハルト・シュレーダー前首相が、任期に着いた1998年、 緑の党との連立政権が実現するにあたって 「核エネルギーの使用からの撤退を、この任期の間に 全面的に、そして撤回できないように、統制する」という連立協定が成され、 2001年に署名が成されています。 2002年に、国内にある17基すべてを21年までに全廃することを決定。 2005年、CDU(キリスト教民主同盟)が与党になり アンゲラ・メルケルが首相になったわけなんですが、、 2009年、FDP(自由民主党)との連立政権が確定する際に 連立協定の中に「核エネルギー使用の撤退を、取り消すことができる」 という条項が入っていていたのです。 「核エネルギーは、サステナブルなエネルギーが信頼できる状態で 代替できるようになるまでのつなぎの技術。……ドイツの原子力発電所をドイツと国際的な安全基準の下で稼働を延長させる。新しい原子力発電所の建設の禁止は、存続する」と。 そのことで生まれる利益は、エコエネルギーの拡充に流す、という言葉もあったらしい。 この決定の後ろには、原子力エネルギーのロビイストたちの力が動いているのは明白だと言われています。 「ドイツの原発は世界の基準でみて最も安全、最も安全、 である」とメルケル首相。 じゃあ、なんで今こういう判断を?と思われてもしょうがない、、、ごり押しですね。 昨年2010年、9月、連立政権は 「ドイツ国内の17基の原子力発電所について、平均で12年は存続させる(古いものは8年、新しい物は14年)」ことで合意し、国民から批判をうけたが、押し通しました。 しかし、今回の日本での状況を受けて すでに建立されてから35年が立つ、ネッカーヴェストハイムの原子力発電所のデモが3月14日に開催された(これは日本の災害とは関係なくもともと予定されていた)こともあり、このネッカーヴェストハイムの原子力発電所に関しては、廃止を決め、そして1980年までに建設された古い7基に関して、3カ月限定の凍結を決めています。 こういった流れなので、 ドイツ人は、そもそも3カ月限定だし ちょうど、ネッカーヴェストハイムがあるバーデン・ヴュルテンベルグ州では 3月27日に選挙があるため、「選挙前のパフォーマンスでしょ」と冷たい眼で見ている……というわけなのです。 「メルケルは、突如メルヘンを語り出した。 メルケルと7人の小人(7基の原発をもじっている)」と報道しているニュースも…… このところ、首相官邸の前では毎日デモが行われており、 状況は刻一刻と変わっています。 現在、この7基を完全にストップしよういう話し合いが行われているようです。 ここ3日取材で毎日のようにドイツ人に会っていたのですが 皆が、日本に対して何かできることはないか……と心配し、 応援の言葉をかけてくれました。 友だち、長く連絡がなかった友人や親族からも電話やメールが毎時間のようにあります。 ドイツ人はメルケルの判断を冷たい眼で見ていますが 今は期間限定であっても、ストップしようと言う動きが出ているのは良いことだし また、ドイツの報道があることで日本国内での、また 世界での原子力発電所の反対への動きが活発になるという 意味もあると思っています。 自分自身、いま、反対の気持ちを持つだけでなく 長期的に反対し続けることがちゃんとできないと! 国外からでもできることをやっていかねばと、思っています。
by berlinbaubau
| 2011-03-16 22:07
| ドイツのこと
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